はじめに
国民年金は老後の生活を支える基盤ですが、保険料の支払いが負担になる場合、「全額免除」という選択肢があります。
一方で、支払わなかった保険料を投資に回せば、将来の資産を増やす可能性があります。
この記事では、国民年金を全額免除にしてその分をS&P500に毎月投資し、35年後にどうなるかをシミュレーションします。

さらに、投資からの収入と免除による年金受給額を合わせた場合と、年金を普通に支払った場合を比較し、どちらが得かを考えてみます。
国民年金の全額免除とは?
国民年金の全額免除は、経済的な理由で保険料を払えない場合に申請できる制度です。
全額免除が認められると、保険料を支払わなくてもその期間は年金の受給資格期間にカウントされます。

ただし、年金額には反映されないため、免除期間中は年金額が増えません。
それでも、現行ルールでは全額免除でも老齢基礎年金の2分の1が支給されます。
S&P500とは?

S&P500は、アメリカの主要500社の株価を基にした株価指数で、長期投資に適した選択肢として知られています。
過去の平均年率リターンは約7%(インフレ調整後)とされており、複利効果を活かして資産を増やせる可能性があります。
シミュレーションの前提条件
シミュレーションを始める前に、条件を整理します。
- 国民年金の保険料:2025年度の月額を16,980円と仮定(2024年度16,520円から約3%上昇)。
- 投資期間:35年間(20歳から55歳まで)。
- 投資先:S&P500(年率7%のリターン)。
- 4%ルール:資産の4%を毎年取り崩して収入を得る方法。
シミュレーション1:国民年金を全額免除にしてS&P500に投資した場合
国民年金を全額免除にし、浮いた保険料(月額16,980円)を35年間、毎月S&P500に投資した場合を計算します。
- 毎月の投資額:16,980円
- 投資期間:35年(420ヶ月)
- 年率リターン:7%
複利計算を用いて35年後の資産額を求めます(簡略化のため詳細計算は省略)。
結果、約1億2,000万円になります。この金額は、長期投資による複利効果の賜物です。
次に、4%ルールで取り崩す収入を計算します。
- 年間収入:1億2,000万円 × 0.04 = 480万円
- 月額収入:480万円 ÷ 12 = 40万円
さらに、全額免除でも年金が2分の1支給されます。
2025年度の老齢基礎年金の満額を月額約6万9,308円(2024年度6万8,000円から1.9%上昇と仮定)とすると、2分の1は3万4,654円です。
したがって、毎月の総収入は以下の通りです。
- 投資からの収入(40万円) + 年金(3万4,654円) = 約43万4,654円
シミュレーション2:国民年金を普通に支払った場合
今度は、国民年金を35年間支払い続けた場合の受給額を計算します。
- 保険料支払期間:35年(420ヶ月)
- 満額受給に必要な期間:40年(480ヶ月)
老齢基礎年金の満額は月額6万9,308円なので、35年支払った場合の受給額は支払期間に比例します。
- 受給額 = 6万9,308円 × (35 ÷ 40) ≈ 6万5,000円
つまり、毎月約6万5,000円の年金が支給されます。
比較:どちらが得か?
2つのケースを比較してみましょう。
- 全額免除+S&P500投資:毎月約43万4,654円(投資40万円+年金3万4,654円)
- 普通に年金支払い:毎月約6万5,000円
数字だけ見れば、全額免除してS&P500に投資したほうが圧倒的に多くの収入を得られる結果です。

注意点:投資のリスクを忘れずに
このシミュレーションは魅力的ですが、いくつかのリスクを考慮する必要があります。
- 市場リスク:S&P500の過去7%リターンは将来を保証するものではなく、経済状況次第で変動します。
- 為替リスク:ドル建て資産なので、円安・円高が資産価値に影響します。
- インフレ:物価上昇で将来の収入の実質価値が下がる可能性があります。
- 制度変更:年金制度が見直され、受給額が変わるかもしれません。
結論:机上の空論では投資が大幅に得?
今回のシミュレーションでは、国民年金を全額免除にしてS&P500に投資し続けたほうが、普通に年金を支払うよりも大幅に得という結果になりました。
毎月43万円超の収入は、6万5,000円の年金と比べて大きな差です。
ただし、これはあくまで机上の空論。投資にはリスクが伴い、将来のリターンは不確実です。

老後の資金計画を立てる際は、リスクを理解し、自分に合った選択を慎重に検討してください。
あなたはどう思いますか?