新NISAが始まり、非課税で投資できるチャンスが広がりました。
でも、「NASDAQ100とS&P500、どっちに投資しよう?」と迷っていませんか?

NASDAQ100は過去の高い利回りが魅力的だけど、ボラティリティが激しくてハイテク企業に偏っているから全振りするのは不安。
S&P500は安定しているけど、もっとリターンを追求したい。
そんな気持ちでどっちつかずになっているあなたに、コアサテライト投資戦略がおすすめです。

この記事では、新NISAを活用して、NASDAQ100とS&P500を投資信託で組み合わせる方法を解説します。
さらに、この戦略がリスクとリターンのバランスを改善し、シャープレシオを高める可能性についてもお伝えします。
1. 新NISAとは?
新NISAは、2024年からスタートした日本の非課税投資制度です。

従来のNISAをパワーアップさせたもので、年間投資上限額が拡大し、非課税期間も無期限になりました。
新NISAには2つの枠があります:
- 積立投資枠: 年間120万円まで。毎月コツコツ積み立てるのに適していて、低コストのインデックスファンドが主な対象。
- 成長投資枠: 年間240万円まで。より柔軟な投資が可能。
両枠合わせて年間360万円まで非課税で投資できます。
この記事では、特に積立投資枠を使って、NASDAQ100とS&P500に連動する投資信託に投資する方法を紹介します。
どちらの指数も新NISAで購入可能な投資信託として提供されており、税金の心配なく運用できるのが魅力です。
2. NASDAQ100とS&P500って何?
投資先を選ぶ前に、この2つの指数の特徴を押さえておきましょう。
NASDAQ100
- 概要: 米国のNASDAQ市場に上場する金融セクターを除く上位100社で構成される株価指数。
- 特徴: Apple、Microsoft、Amazon、Google(Alphabet)など、ハイテク企業が中心。成長性が高い。
- メリット: 過去のリターンがS&P500を上回ることが多く、大きな利益を狙える。
- デメリット: ハイテクに偏っているため、ボラティリティが激しい。市場が揺れると大きく下がることも。

S&P500
- 概要: 米国の主要500社で構成される株価指数。米国の経済全体を反映。
- 特徴: IT、金融、ヘルスケアなど幅広い業種に分散。安定感がある。
- メリット: 長期的に堅実な成長。市場全体の動きに連動しやすく、リスクが抑えられる。
- デメリット: NASDAQ100ほどの爆発的なリターンは期待しにくい。

「NASDAQ100のリターンは魅力的だけど、値動きが怖い」「S&P500の安定性がいいけど、もっと成長を狙いたい」と感じるのは自然な悩みです。
そこで、コアサテライト戦略が解決策になります。
3. コアサテライト戦略って何?
コアサテライト戦略は、ポートフォリオを2つに分けて運用する手法です:
- コア(Core): ポートフォリオの大部分を占める、安定した投資。市場全体に連動する資産が適しています。
- サテライト(Satellite): 少量で高いリターンを狙う投資。特定の分野やテーマに特化した資産を選びます。
イメージとしては、家を建てるようなものです。
コアはしっかりした基礎や構造、サテライトは個性を出す装飾やオプション。

この戦略なら、安定性を保ちつつ、成長のチャンスを追いかけられます。
新NISAで使うなら:
- コア: S&P500 → 広範な業種に分散され、安定した基盤に。
- サテライト: NASDAQ100 → ハイテクの成長を取り込み、ポートフォリオにブーストを。

4. コアサテライト戦略のメリット
なぜこの組み合わせがいいのか、3つのポイントで解説します。
リスク分散
S&P500をコアにすることで、ITだけでなく金融や消費財など多様な業種に投資でき、市場全体のリスクを抑えられます。
一方、NASDAQ100をサテライトにすれば、ハイテクの成長性を享受しつつ、ポートフォリオ全体がその激しい値動きに振り回されるのを防げます。
全額NASDAQ100に投資するより、安心感がありますね。
リターンの向上
NASDAQ100は好調な時期にS&P500を大きく上回るリターンを出すことがあります。
サテライトとして少額でも組み込めば、ポートフォリオ全体のリターンを引き上げられる可能性が。
S&P500だけでは得られない「プラスアルファ」を狙えます。
シャープレシオの改善
リスクとリターンのバランスが良くなると、「シャープレシオ」という指標が向上します。
これについては、次のセクションで詳しく説明します。
5. シャープレシオって何?どう改善するの?
シャープレシオとは
シャープレシオは、投資の「効率」を測る指標です。
簡単に言うと、「リスク1単位あたりどれだけリターンを得られるか」を表します。計算式は:
シャープレシオ = (ポートフォリオのリターン - リスクフリーレート) ÷ ポートフォリオの標準偏差
- リスクフリーレート: 安全資産(たとえば国債)の利回り。
- 標準偏差: 値動きの激しさ(ボラティリティ)を示す。
シャープレシオが高いほど、同じリスクでより多くのリターンを得ている、つまり「効率がいい」投資と言えます。

コアサテライトでどう改善するか
S&P500単独だと安定しているけどリターンが控えめ、NASDAQ100単独だとリターンは高いけどボラティリティが大きい。
それぞれの弱点を補うように組み合わせると:
- S&P500の安定性: ポートフォリオ全体のボラティリティを抑える。
- NASDAQ100の成長性: リターンを上乗せする。
たとえば、S&P500に80%、NASDAQ100に20%を投資した場合、S&P500単独よりリターンが高まりつつ、NASDAQ100単独よりボラティリティが低くなる可能性があります。
結果、シャープレシオが改善し、リスク調整後のパフォーマンスが向上するのです。
注意: これは市場環境次第。NASDAQ100が大きく下がれば効果が薄れることもあります。でも、歴史的に分散投資はリスク調整後のリターンを改善する傾向があります。
6. 実践的なアドバイス
新NISAでコアサテライト戦略を始めるための具体的なステップです。
投資信託を選ぶ
- NASDAQ100とS&P500に連動する投資信託を選びましょう。
- ポイント: 信託報酬(運用コスト)が低いもの。たとえば、「eMAXIS Slim S&P500」や「楽天・全米株式インデックス・ファンド」、「eMAXIS Slim NASDAQ100」など。
- 新NISAの積立投資枠で買える低コストインデックスファンドが多いので、証券会社のリストをチェック。
配分を決める
- 目安: S&P500に70-80%、NASDAQ100に20-30%。
- リスク許容度で調整:
- 保守的な人: S&P500 90% / NASDAQ100 10%
- 成長志向の人: S&P500 60% / NASDAQ100 40%
- 自分の不安と期待のバランスで決めましょう。
定期的に見直す
- 年に1回、ポートフォリオの配分を確認。たとえば、NASDAQ100が値上がりして割合が増えたら、一部売ってS&P500に振り替える(リバランス)。
- これで当初のリスクレベルを維持できます。
長期目線で
- 市場は短期で上下しますが、新NISAは非課税期間が無期限。毎月積み立てて、10年、20年と続けるつもりで。
- ドルコスト平均法で、値動きに一喜一憂せず投資を。
補足: 米国指数なので為替リスク(円とドルの変動)がありますが、両方ともドル建てなので、NASDAQ100とS&P500の選択にはあまり影響しません。
まとめ
新NISAで「NASDAQ100の利回りは捨てがたいけどボラティリティが怖い」「S&P500の安定性がいいけど物足りない」と迷っているなら、コアサテライト戦略がぴったりです。
S&P500をコアにして安定性を確保し、NASDAQ100をサテライトで成長を狙う。

この組み合わせなら、リスクを抑えつつリターンを追求でき、シャープレシオも改善する可能性があります。
投資信託を活用して、自分のリスク許容度に合った配分を決め、長期的にコツコツ続けましょう。
過去の成績は未来を保証しませんが、新NISAの非課税メリットを活かせば、資産形成の強力な味方になります。
迷ったらまず始めてみて、少しずつ調整するのも手。
あなたの投資ライフがより充実したものになりますように!
